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「使用済みの巣に何の用だ?」
気になったので、ズンッ! と着地音を響かせて巣の目前へ降り立ったディアマットへ、魔界の言葉で問い掛けてみる。
『なあ、お前何しにきたの?』
『ん……貴様、魔界の言葉が話せるのか?』
『そりゃお互い様だ。お前も話せるってことは、竜種でも上位なんだろ?』
『貴様……何者だ?』
ガアッ! と口を大きく開け、威嚇するようにディアマットが俺に訊ねてきた。
『俺は魔族だよ。多分、唯一の生き残り』
『なっ……確かに、言われてみれば……』
と、ディアマットと会話していると、徐に洞窟から先輩が姿を現した。
「何っ!? ディアマットだと!?」
『何だこの人間は?』
「先輩! 早く中へ!!」
ディアマットの質問は無視して、俺は一緒に洞窟の中へ駆けこんだ。
そして、魔力を飛ばして会話する、いわゆる”念話”というもので引き続きディアマットと会話をする。
『一回さ、どっかいってくんない?』
『そうはいかん。巣穴に大事な物を忘れてしまった』
『何だよそれ。どんなやつだ?』
『笑うなよ?』
『おう』
『魔法叔父さんカモニナールのプレミアムカードだ』
『なん……だと……!?』
『笑わないのか……お前……!』
『へへっ。バーロー……”戦友<トモ>”を笑うわけねえだろ』
初めて……親友に出会えた気がしたんだ。
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