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「ディアマットか……まずいな。油断していた」
俺が涙ぐんだ(仲間を見つけたから)ので、先輩は怯えていると感じたのか、必死に戦う算段をきめている。
『俺が持って行くから、とりあえずお前は行けって』
『信じてるぞ……”フォーエバーマイフレンズ”』
『任せとけって……”イエスマイフレンズ”』
これは魔法叔父さんカモニナールで、レッドとブルーが最後の戦いで交わした台詞の一部であり、魔法叔父さんカモニナール史上、最高のシーンであると評価されていたものを再現したやりとりだ。
物凄く一部のマニアな人間しか知らないんだけども。
あ、俺……人間じゃないや。いっか。
「よし。俺が囮になる。お前は逃げろ!」
「えっ、あ、ちょっ……」
「うぉぉぉぉぉ!!」
先輩は大剣を担いで外へ飛び出していったが、既にディアマットはそこにおらず、ぽかんとした表情で暫し立ちつくした。
「ラッキーっすね。ついでに探索しちゃいます?」
「えっ、ああ。最奥まで行ってきたが、これぐらいしかなかったぞ」
そう言って、先輩はブルーが一度だけ変身した全身タイツ姿の描かれたカードを俺にみせた。
「それ。俺欲しいっす」
「まじで? こんなゴミ……」
「ゴミ……だと!?」
もう赦さん……人間がぁぁぁぁっ!!
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