ホームレス魔王誕生

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 そんで、一番奥の寝床らしき場所で、怪しい壁をガツガツと掘ったわけだが。 まー出るわ出るわ。  魔鉱石のオンパレード。  ちなみに、魔鉱石はとかして加工して鎧や剣を作ったりする材料だ。 他に鉄や銅の一般的な鉱石もあるんだけど、魔法を使える人間ならば断然魔鉱石を使用した武器防具が良い。  魔力に反応して攻撃力や防御力が上がるからだ。 「や、実に良い魔鉱石だ。純度Aだな」 「ですねー。ぼろもうけっすよ。先輩」  純度は文字通りで、AからDまで存在する。 Aに近づくほど、より濃い黒色になるのだ。  今掘り出したものは、びっくりするぐらい真っ黒なので間違いなく純度A。  たまに黒曜石が混じっているので、一応は魔力を流して品定めしている。 魔力を流すと微妙に発光するので、判別は容易い。 「これだけ掘れば、30万ガルドは固いな」 「半分下さい」 「勿論だとも! お前のお手柄だからな!」  先輩は豪快に笑っている途中でぴたりと止まり、思いだしたかのように俺の名を訪ねてきた。 「つか、名前なんだっけ? 雑魚?」 「いやいやいやいや。遅すぎるし悪意を感じる。ガイルっす」 「ガイルか。また機会があれば一緒に依頼をうけたいものだ」 「そうっすね。機会があれば……」 「……ああ。本当に――なっ!!」 「うどぅわぁっ!?」  いきなり大剣を振り下ろしてきおった。 こいつ……ゆとり世代か!?
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