第01話 「始まり、始まり」

3/14
前へ
/16ページ
次へ
ハイヴ。 それは、人類がBETAに奪われた土地に築かれた、敗北の象徴。 そのハイヴ内、主縦穴に繋がる横坑にて、今まさに帝国斯衛軍第19番戦術機甲中隊、通称【黒龍中隊】が駆る12機の【不知火】が跳躍ユニットを噴かしながら奥に奥にと進んで行く。 「今のところ、まだ反応は無いな………。02、そちらは?」 未だ出てこないBETAに警戒する黒龍中隊の隊長である青年――南雲 龍矢大尉――は、部隊の副官である秋峰 沙織中尉に問うた。 『こちら02。現在、それらしい反応はありません』 「そうか。各員、警戒体制にて待機。突然現れたBETAにパックリなんて笑えんぞ」 『『『了解』』』 部下達に警戒を促しながら、自らも警戒を怠る事はない。 横から突然カベをぶち破ってBETAが出現する事だってあるのだ。用心するに越した事はない。 そして、現在ハイヴに潜入してからかなりの時間が経過している。 そろそろ出て来てもおかしくはない、と冬夜が考えたちょうどその時だった。 『02より01。12時の方向に反応あり。BETAです!』 ついに、来た。 「よし、総員水平噴射やめ。そのまま地面に降りろ。アレを試すぞ」 『『『了解ッ!!』』』 指示を飛ばすと、先頭に立つ自分の不知火の両脇にも2機、不知火が並んで着地。そして3機の不知火はとある武装を選択する。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加