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ハイヴ。
それは、人類がBETAに奪われた土地に築かれた、敗北の象徴。
そのハイヴ内、主縦穴に繋がる横坑にて、今まさに帝国斯衛軍第19番戦術機甲中隊、通称【黒龍中隊】が駆る12機の【不知火】が跳躍ユニットを噴かしながら奥に奥にと進んで行く。
「今のところ、まだ反応は無いな………。02、そちらは?」
未だ出てこないBETAに警戒する黒龍中隊の隊長である青年――南雲 龍矢大尉――は、部隊の副官である秋峰 沙織中尉に問うた。
『こちら02。現在、それらしい反応はありません』
「そうか。各員、警戒体制にて待機。突然現れたBETAにパックリなんて笑えんぞ」
『『『了解』』』
部下達に警戒を促しながら、自らも警戒を怠る事はない。
横から突然カベをぶち破ってBETAが出現する事だってあるのだ。用心するに越した事はない。
そして、現在ハイヴに潜入してからかなりの時間が経過している。
そろそろ出て来てもおかしくはない、と冬夜が考えたちょうどその時だった。
『02より01。12時の方向に反応あり。BETAです!』
ついに、来た。
「よし、総員水平噴射やめ。そのまま地面に降りろ。アレを試すぞ」
『『『了解ッ!!』』』
指示を飛ばすと、先頭に立つ自分の不知火の両脇にも2機、不知火が並んで着地。そして3機の不知火はとある武装を選択する。
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