第01話 「始まり、始まり」

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戦術機の背後にある背部兵装担架を一つ占領して取り付けられた巨大な砲身が脇下に現れる。これこそ【試作99式電磁投射砲】である。 この【試作99式電磁投射砲】は、リニア機構を砲身部に採用する事によって、肩に積まれた120mm弾を高速で発射、絶大な貫通能力を持たせるのが狙いである。その威力はモース硬度15を誇る突撃級の殻を紙のように貫通させてしまう程だ。 その砲身を、憎き異種起源生物どもに向ける。そしてトリガー。 「01、フォックス2」 『03、フォックス2』 『06、フォックス2』 瞬間、3つの銃口から放たれる3条の光。その光はBETAに向かって一直線に伸びて行き、そのまま速度を落とさずに奴らの体を貫いていく。マーカーを確認。凄まじいスピードでBETAを示す赤い点が消えている。どうやら、資料にあったこの兵器の情報に間違いはなかったようだ。このままいけば、前方から接近中のBETAを全滅させる事も出来るだろう。 そう、このままいけば。 ここは、奴らの前線基地。それを忘れてはいけないのだ。 突如管制ブロック内にBETAの増援を示すアラートが鳴り響く。 すると、黒龍中隊の布陣する地点の左側にある壁が崩壊、大量のBETAが溢れ出てくる。 これが、偽装横坑。他の場所よりも薄いくなっている縦坑や横坑から壁を突き破ってBETAが出現する、BETAどもの戦術。 「クソっ、機体が重い!!」
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