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判断は一瞬だった。
02より予備の突撃砲を受け取ると、跳躍ユニットを噴射。
多数の突撃級を飛び越え、全部のBETAを飛び越えたところに噴射降下。機首を反転、突撃砲を選択。殻に覆われていない剥き出しの感覚器官へ36mm弾を叩き込む。
ただでさえ前へ突き進む事しか出来ない突撃級は、この横幅の狭い横坑内で急激な方向転換などできる訳もない。どんどんその数を減らしていく。
暫く経つと、そこにはBETAの死骸の山が築かれていた。
「ふぅ………ブラックドラゴン01より各機。残弾を確認」
『こちら02、120mm残り1、36mm残り700、長刀が1、短刀が2振りです』
『03、120mm残弾0、36mm残り850、短刀が1です』
「成る程、さすがにこれ以上は厳しいな」
龍矢が残りの機体の確認を促そうとした時だ。
『!? 02より01 !!12時より再び敵の反応感知ッ!! 師団規模です!!」
「何?師団規模だと!?」
02より敵の出現が報告された。それも、師団規模の。
師団規模とは、1万?2万のBETAがいる事を表す。半壊状態で今や小隊規模となってしまっていては、いくら近衛軍の精鋭部隊である黒龍中隊といえども、不可能に近い。
そのうえ、装備は消耗してしまっていていつ弾切れが起きても不思議ではない。恐らく、生還は絶望的。
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