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「部長、しつこいです。」 「…お前だけだよ。俺にそんな事言うの。」 「特別扱いってやつです。」 私の言葉を聞いた部長が嬉しくないなとわざとらしく溜め息ひとつつく。 「数少ない幸せが逃げますよ。」 「お前が素直に言うこと聞いてくれたらそれだけで幸せなんだが。」 「小さな幸せですね。純粋というか単純というか。」 嗚呼、またカワイクナイ事を言ってると頭の中では警報が鳴り響いているのにどうして私の口は止まってくれないんだろう。 ほらまた、部長が溜め息をついた。 胸がぎゅーっと締め付けられたように痛い。
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