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「佐伯、聞いてるか?」 「…っ聞いてなかったです。」 「お前は本当に…まあいい。本題にはいる。」 「はい。」 部長以外のものはまるで、ただの背景かのように色褪せて見える。 そんな事、本人にも誰にも言えないから私の心の中にぎゅっとぎゅっと押し込める。 だって部長には、奥さんがいるから。 本人に確かめたわけじゃない。 左手の薬指に光るそれが、答えとなって返ってきた。
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