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「美香ー、真実ー!」
薄茶色の長い髪を揺らしてこちらへ向かってくるのが遥奈ちゃん。
「遥奈!同じクラスだね!よろしく!」
「美香ー、まじ嬉しい!
真実、だいぶ遠いね…また本館遊びに行くから!」
「ありがとう、私も別館見に行くね」
「じゃあ、遥奈行こっか」
またあとでね、と手を振りながら去っていく二人の背中を見ながら辺りをキョロキョロ見回した。
正直、私は焦ってる。
名簿を見れば知らない人の名前ばかり。
誰一人、私のクラスに知り合いや友達はいなかった。
人前では偽りの自分を演じてるくせに、学校では1人になりたくない。
矛盾だらけだよね、ほんと。
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