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「いったぁ!」
ゴンっと言う音と共に、かなり大きめの声が出てしまった。
慌てて口を抑え、周りからの視線とクスクスという声に目を瞑りたくなる。
「真実、だっさ」
「は、恥ずかし……」
もうすぐ学校の門をくぐるというところで、考え事しながら歩いていると思わず電柱に頭を思いっきりぶつけた。
「ほんと、馬鹿でしょ、あんた!」
相変わらず美香の笑い声は大きいしなかなか止まない。
「美香、これ結構痛かったんだよ…」
ズキンと痛む頭を抑えて門をくぐった。
「おはようございます」
と優しそうな校長先生が登校してきて新入生1人1人に挨拶する。
私達も声を揃えて
「おはようございます」
と挨拶をすると、
「はい、おはようございます、
この学校は段差が多いので、次は足元にも気をつけて」
とわざわざ一言付けてもらって…
周りにいた先生方もクスクスと笑っていた。
少し気まずい気持ちだったけど、私達の緊張は一気にとれた。
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