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「後をつけたってストーカーかよ気持ち悪ぃ…」
>「こんな早い時間に来ていたら普通気になるのだよ」
反論しようとも思ったが緑間の言っている事は確かに正しい。
それに、緑間の事だから話しかけるのもできず後をつけてきたのだろう。
宮地は何も言い返さず舌打ちをして緑間から目を逸らした。
しばらく、2人の間に沈黙が続く。
隣が気になり宮地は気付かれないようにチラッと緑間を見た。
すると、彼は宮地の方を見つめており視線がぶつかってしまった。
「どうしたのですか?」と、緑間が聞いてきて宮地はまた目線を逸らし「なんでもねぇよ」とぶっきらぼうに返した。
「それより…
なんで、お前はここに来たんだ?」
「宮地さんに会いたかったから来ました」
と答えた。
あまりにもの即答で宮地は拍子抜けしてしまう。
だが、緑間の言葉をもう一度思い出すと宮地の顔は熱を帯び始めた。
それを隠すように下を向き手で顔を隠した。
緑間は彼の様子を見て少し不思議そうな顔をした。 それより、耳が隠れておらず真っ赤になっているのが見え可笑しくなりクスッと小さく笑った
「笑うな!!轢くぞ!!」
「耳、凄く赤いですよ?」
そう、耳元で囁き宮地は更に赤くなり緑間から飛び退く。
そんな大袈裟な、とも思いつつ緑間は宮地に近寄ってみた。
すると、彼は緑間から逃げるように後退する。
「逃げないでくださいよ」と言って宮地の手を掴み引き寄せる。
緑間は宮地を自分の腕の中に閉じ込めた。
「離せ…っ、死ね!!」
「離しませんし、死にませんので」
「調子に乗りやがって…!!」「とか、言ってるわりには顔が真っ赤なのだよ」
そう言って、宮地の耳元でクスッと笑った。
図星を突かれ恥ずかしくなり緑間の腕の中で激しく抵抗するも、緑間はビクともしない。
緑間はそんな宮地を見て楽しそうにしている。
普段、笑わない緑間が楽しそうに笑っているのだ。その笑顔は宮地をからかっているように感じられるがどこか優しい笑顔。
それを見た宮地の心臓が小さく跳ねた。
俺はホモじゃねぇ、と心の中で叫ぶも言葉とは裏腹に心臓はドクドクと音をたてている。
そんな時、不意に緑間が宮地の名前を呼んだ。
「あ゛?」と不機嫌そうな返事をし緑間の顔を見た。
「俺が『宮地さんに会いたかったから』って言っただけで何で顔を赤くしたんですか?」
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