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確かにおかしい。
緑間は最初、『宮地さんに会いたかったから来た』と言った。
すると、宮地は顔を赤くした。
普通、後輩に『会いたかったから』と言われただけで顔を赤くするだろうか?と緑間は思った。
緑間の質問に宮地は下を向いて黙りこんでいた。
そんな宮地の耳はやっぱり赤い。
「宮地さん、もしかして俺の事をそういう対象として意識してるとか…?」
その言葉を聞き宮地はガバッと顔を上げ緑間を見た。緑間は悪戯っぽい笑みを浮かべ宮地を見つめていた。
「違う、俺はホモじゃねぇ!!」「じゃあ、何故こんなに動悸が激しいのですか?」
そう言いながら宮地を強く抱き締める。
宮地の心臓はさっきよりも速く脈打っている。
宮地は何も言い返せずまた黙りこんだ。
「そういう態度をとられるの結構傷付くんですよ…」
「ホモの事情なんて知るか!!俺はお前なんてどうでも良いんだよ!!」
そう言うと緑間が腕の力を緩めた。
宮地は今なら逃げれると思い緑間から逃げようとしたその時、緑間が静かに口を開いた。
「離れたいなら今、離れてください
急にこんな事をしてすみませんでした…」
さっきまでの余裕な様子はどこにいったのか、少し悲しそうな顔をして宮地を見つめる緑間。
その顔を見て速く脈打っていた宮地の心臓がギュッと何かに締め付けられるような痛みを感じた。
「さっきまで余裕な顔して人を勝手に抱き締めやがったくせに今度は離れろだ?あげくのはてにそんな顔しやがって…なに被害者ぶってんだよ!!言うならせめてさっきみたいな余裕な顔して言いやがれ!!轢くぞ!!」
宮地の中の何かがプツッと切れたように声を荒げ長々と言った。
緑間はそんな宮地に目を見開き驚いたまま何も言わず動かなかった。
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