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「なるほどな。という事は別にリサは酒を飲んでも構わないという事か……」
「そうなりますね?」
ジュリアスの言葉を聞き、カレカが妖しい微笑みを浮かべた。
「よしリサ! 私に一杯付き合え!」
「へ?」
更にはリサの首へと腕を回すと頭を抱え込み。
「へ? ではない。めでたい席だ私に付き合えと言っているのだ。たまには良いだろう? 女同士でトコトン語り合うのも」
まあ、普段はリサの一方的な戦国トークなのだろう。ここぞとばかりにカレカが反撃に出た様だ。そしてそれはカレカだけでなく――
「カレカ様。お供致します」
「わたくし達も艶やかに酔いしれたお館様のお姿を是非とも拝見したくございます」
言って現れたのは――恐らく酒なのだろう。ワザワザ両手にジョッキを持ったイザベラとエミリアである。しかしリサは静かに首を振り。
「いや、あたしはいいわよ。お酒飲んだ事ないし。あんた達三人だけで盛り上がってきなさいよ?」
「そーゆー訳にはいかんな? 飲んだ事がない奴に飲ませるのが楽しいのではないか」
『その通りです。そしてベロンベロンに酔っぱらったお館様をベッドに運んで介抱するのがわたくし達の真の目的なのでござ――』
その時。一条の閃光がイザベラとエミリアの間を走り抜けた。
『――モギョッ!』
意味不明な言葉を発し、持っていた酒をブチ撒けながら倒れ込むイザベラとエミリア。
「そんな事だろうと思ったわよ。ホンット懲りないわねあんた達は」
そんな二人に走り抜けた閃光――リサが侮蔑の眼差しと共に吐き捨てた。
(相変わらず凄いな。恐らくパンチを放ったのだろうが拳が見えなかったぞ……。私が負けるワケだ)
と頬に汗を垂らすカレカと――
『ご、御馳走様です……』
酒まみれで地に伏しても決してお礼を忘れない色情狂メイド二人であった。
そんなリサ達のやり取りをここまで黙って見ていたキリストだが、助け舟のつもりか。
「あのカレカさん。僕はこれからお館様と少し話したい事があるのでお酒に誘うのはまた後でにして頂けますか?」
「ん? そうか……ならば仕方ない。私はとりあえずメイド長達を連れてあちらで飲んでくるか」
と言ってカレカがイザベラとエミリアの手をとり引きずりながら向かった先――そこは半裸族と化したKG達が居る場所であった。
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