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私たちがのんびり料理を味わい、飲み物もおかわりしている内に、一組、もう一組とお客さんがお店を後にしていった。
お店の中が寂しくなる一方で、私と美咲、…少なくとも私の心臓は興奮と緊張で高鳴っていった。
最後の一組を美月さんが送り出している背中を見ながら美咲が小声で言う。
「…ドキドキするね。」
「…うん。」
私も頷いた。
「…結局、少し遅くなっちゃったわね。ごめんね。」
私たちにそう言いながら美月さんは表の暖簾を仕舞った。
そして、美月さんは私たちに座敷に移るように言った。
座敷に移ると美月さんが新しいウーロン茶を3つと特製の梅酒ゼリーを2つ用意してくれて、それをテーブルに並べた。
「ね。食べて。」
美月さんに促されて私たちは梅酒ゼリーを一口食べた。
「美味しー!!」
「ホント、おいしー!!美月さんの手作りですよね?」
「うん。そうよ。」
「…美月さんは、食べないんですか?一緒に…。」
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