小さな奇跡

11/24
前へ
/24ページ
次へ
「…あ、うん。私はいいの。…これね、森田さんが大好きなのよ。彼に作ったんだけど、あんまり"美味しい""美味しい"って言ってくれるからお店で出してみたの。」 「…そうなんだぁ。」 「森田部長、やるね。」 「…私たちね。はっきり言葉にして付き合うことになったのは9月の終わりなんだけど、森田さんが最初にお店に来てくれた時から…私はどんどん彼に惹かれていったの。それに…彼もそうだったって言ってくれた。 ゆいちゃんのおかげで、秀一のことが落ち着いたなって思った矢先で、私は…運命とも感じたの。…大袈裟かな?」 私と美咲は揃って首を横に振った。 「私たちが深い関係になるのに時間なんてかからなくて、お互いに最初から…結婚も考えてた。…それでね…。」 美月さんはテーブルに体を寄せた。 私と美咲も思わず背筋を伸ばした。 「…それでね。…あのね…私ね…赤ちゃんが出来たの。」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2174人が本棚に入れています
本棚に追加