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「ええーーーーーー!!!」
「ギョエーーーーー!!!」
さっきの驚きなんて比じゃなかった。
私と美咲は本当に叫び声を上げてしまった。
いつの間にか美咲と手を握り合っていた。
「ええ?」
「どうしよ!?」
「ホントに?」
「うそー!?」
私と美咲は小さなパニックだった。
「…二人とも…大丈夫?…ごめんね。驚かせて…。」
美月さんの困ったような顔に我に返る。
「…す、すみません!変に驚き過ぎちゃって…。」
「ホントに。美月さんごめんなさい!!」
「…いいのよ。当然だわ。でも、ゆいちゃんには…美咲ちゃんにもね、わかって欲しいの。赤ちゃんが出来たことは本当に偶然だったんだけど…。私は本当に良かったと思ってるの。
結婚していつかは子供が欲しいって…ずっと夢見てたの。だけど、この歳でしょ?子供を授かれるかもわからなかったし、時間がかかることも覚悟してた。…リスクが伴うことも当然わかってる。
でも…。こうして、こんなに早く、授かることができた。
子供を授かることは、誰にとっても奇跡だとは思うけど…私はそれをすごく実感してるの。
大好きな人との間に…。」
美月さんはそう言いながら自分のお腹に視線を落とし、まだ膨らみのないお腹を優しくをさすった。
…美月さんのお腹には新しい命が宿っている。
「…美月さん、おめでとうございます。」
「おめでとうございます。」
入籍の話を聞いた時から驚くばかりでずっと言えてなかった『おめでとう』を心を込めて美月さんに送った。
「ありがとう。」
美月さんの笑顔は子供を宿した母親の顔だった。
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