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翌日の日曜日には部長と一緒に買い物に出掛けた。
日用品を買ったり、雑貨を買ったり、あ、部長の靴下も買いました。
「後は食材だけですね。」
と口にしながら、あるお店にくぎ付けになる。
「…秀一さん!あそこ!入ってみましょ!」
「…あそこ?」
「はい!」
部長の手を引いて入ったのはベビーグッズのお店。
店内全体が赤ちゃんの甘い可愛い雰囲気で、目に映るもの全てが可愛くて、キュンとした。
「秀一さん、見てください!」
「やーん。こっちも可愛い。」
「この服、ちっちゃーい!」
「こんなのもありますよ!」
興奮気味の私とは対照的に部長は店内を不思議そうに見回していた。
「…すごいな。」
「ホントに!赤ちゃんが出来たら揃えるものいっぱいあるんですね!?」
その会話の途中に店員さんが話しかけてきた。
「…何かお探しですか?…もしかして、奥さま…。」
その店員さんの視線は明らかに私のお腹で留まっていた。
「あ、あわ、あの違うんです。…あ、姉が妊娠したので…どんなものがあるのかな…と思いまして…。」
私は身ぶり手ぶりで慌てて否定して、思わず姉なんて言ってしまった。
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