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私の不安と困惑をよそに、部長の反応は楽しげだった。
「本当に当選したのか…。まさか当選とはな…。やっぱり、あの添付した写真だな。ゆいが可愛いからだ。」
「…秀一さん…そんなこと言ってる場合じゃないですよ!…どうしましょう!?」
「どうしましょうって、何か困るのか?」
「モ、モデルですよ!?無理ですよ!!」
「何でだ?第一、モデルと言っても一般人から選ぶモデルだ。別にプロのようにやる必要なんてないだろう?…おい、ゆい、ここ、主催者が用意してくれるホテル、なかなかいいところだぞ。」
「…秀一さん…。」
「撮影は土日二日間だから、金曜の夜から出発して、二泊しようか。」
そう言って部長は一度立ち上がって、スケジュール帳を手にして戻って来た。
「…今のところ、スケジュールにも問題ない。」
そして、次は携帯を取り出し、電話をかけ始めた。
「…キャンペーンの当選案内を頂いた西島です。…はい。…はい。…はい、結構です。よろしくお願いします。」
部長は5分程度会話をして電話を切った。
「よし、これで決まった。」
部長はいつも通りの笑顔で言った。
…決まった?
「…はい。」
そう言うしか…ないよね、もう。
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