小さな奇跡

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翌日、日曜。 お昼ご飯を食べた後、片付けを済ませて、車で駅に向かった。 「やっほー!!楽しみだね!鍋!鍋!何鍋にする!?」 車に乗った途端に美咲の声が車内を明るくする。 「…気になってるレシピがあるんだけど…塩しょうが鍋ってどうかな?体も温まるしヘルシーだよ?」 「え!!食べてみたい!それ決定!!」 「食べたことないな。ゆいに任せる。楽しみだ。」 スーパーについて、私と美咲は食材を、部長と成瀬さんは飲み物を担当することにして、二手に別れた。 あれも入れたら美味しそう。 これも入れたら美味しそう。 カートのカゴはすぐにいっぱいになった。 支払いを済まして、部長たちと合流すると部長たちもソフトドリンクを含めたたくさんのお酒を買っていた。 …どれだけ飲むんだろう…。 帰りに花屋に寄って、美咲と私で美月さんに小ぶりの花束を買った。幸せ色のピンクの可愛い花束を。 それからデザートのアイスを買って、帰宅した。 部屋に入ると美咲が言った。 「…あ、…なんかやっぱり前と違うね、部屋の雰囲気。…ゆいっぽいものが増えてるし。…いいね。すごく居心地いい感じ。ふふ。」 「…そう…かな?」 「そうだよ。最初にここに来た時の無機質なイメージが懐かしいわ。あはは。」 美咲と話しながら準備に掛かった。
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