小さな奇跡

22/24
前へ
/24ページ
次へ
ダイニングテーブルでみんなでお鍋を囲んだ。 それぞれに飲み物を確保し、はしゃいだ声で乾杯した。 「カンパーイ!!」 「森田部長!美月さん!おめでとうございます!!」 こういう時はやっぱり美咲が仕切る。 その後で、私が遠慮しながら口を添える。 「…入籍…されたんですか?」 「おう!晴れて夫婦だ!俺はコイツの兄貴だぜ!!あっはっは!」 美月さんに聞いたつもりが森田部長が豪快に答えてくれた。 …森田部長と部長の絡みを横目に女子で顔を寄せる。 「わあ…美月さん、森田の姓になったんですね?おめでとうございます!!」 「ホント!!美月さんおめでとう!」 「…ありがとう。まだ信じられないわ。」 そして、私と美咲で用意した花束を美月さんに渡した。 「…二人とも…本当にありがとう。」 美月さんは目を潤ませていた。 グツグツと煮えるお鍋の音に交じって、私たちの会話は幸せをたっぷりと含んでいて、お鍋の熱とは別に、私たちの体と心を同時に温めた。 お鍋を囲むみんなが笑顔で、 幸せそうだった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2174人が本棚に入れています
本棚に追加