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その後、いつも通りにお料理を出してくれた美月さんは、自分から森田部長とのことを切り出してくれた。
「ええーーーーー!!森田部長と!?」
「美月さん、こんなにキレイなのに!?」
「森田部長でいいの!?」
「森田部長にはもったいないよ!!」
全部、美咲の驚きと興奮から出てくる言葉なんだけど、美月さんはそれに優しく応える。
「美咲ちゃん…私、森田さんがいいの。森田さんしかいないのよ。」
美咲はその一言で黙りこんでしまった。
「…ごめんなさい。…私、つい興奮して。」
「いいのよ。私だって。ゆいちゃんは秀一にはもったいないって思ってるんだから。…でも、ゆいちゃんがいいって言ってくれてるし、もう、それに甘えることにしたのよ。秀一だけじゃなくて、私もゆいちゃんを離したくないの。」
…ああ、今度は私が顔を赤くしてる…。
その時、美咲が思いきったことを聞く。
「…ご結婚は?」
美月さんはその質問に一瞬手を止め、すぐに慌ただしく動かし始めた。
いつも落ちついてる美月さんが少しだけ焦ってるように見えた。
そして、私に視線を向けた。
「…それなんだけどね…。驚かせて…悪いんだけど…今月中に入籍しようと思うの…。」
「…え。」
「えぇーーーー!!」
私と美咲、対照的な反応がお店中の穏やかな空気の流れを止めてしまったかのようだった。
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