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三神さんは驚いたような顔を一瞬だけして、それから口を開いた。
「…何でそう思う?」
「最初に好きって言われた時、凄いいきなりだったし…そのとき俺、どう考えても変だなって思ってました。
後はやっぱ、俺を通して別の人間を見てる気がして…。分かるんですよ、前にも龍之介さんが同じ事してたし……さっきも車の中で、
要のこと意識してませんって雰囲気がわざとらしいっていうか……座席蹴ったのだって、めちゃくちゃ手加減してたし……」
言いながら、俺はチラリと三神さんの顔色を確認した。三神さんは無表情で俺から視線を逸らし、何も言おうとしなかった。
俺の推測が外れなら多分怒るだろうなと思ったが、何も言わないって事は正解なんだろう。
「………それで?要の代わりにされた事に腹を立てて、わざわざ文句でも言いに来たのか?」
今まで見た事もないくらい冷酷な目で三神さんが俺を見ていた。…ああ、やっぱり。
「別に怒ってないし、文句言いに来た訳でもないです。代わりだろうと何だろうと、
三神さんが今まで俺のこと色々助けてくれた事に変わりないですし……。でもやっぱ、ずっと代わりにされるのは嫌だなって思って」
「別に良いだろう、どうせお前は俺に興味ないんだから。龍之介が好きなんだろ?」
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