第1話

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 塾というものは(特に大規模塾は)時間割がキチッとしている。しかし、生徒の立場になると 「明日は理科のテストなのに、塾の時間割では英語で困る。もう英語は終わった」  となる。  それで、私は理科・社会・国語の指導もできるようにしようと考えた。それで、地元中学の定期テストを10年間にわたって1万枚以上収集して自分で解答をつけて生徒に配布した。  そして、定期テスト前は各中学校の事情に応じて5科目のどの指導も可能にした。  また、100人に1人くらいいる超秀才くんのために「開成、灘、ラサール」などの過去問も取り寄せて指導を始めた。そして、10年経った頃に思った。 「ラサールの子って、東大や京大を受けるんだよな」  ちょうど、そのタイミングである私立中学の特待生の子が 「高校になってもお願いします」  と言ってきた。最初は英語だけ指導していたのだけれど、数学の質問も増えてきた。  それで、期待に応えたいと思ったのだけれど名古屋大学の受験前に数学をやりすぎて倒れて入院した件を思い出した。近くの書店に行って、30年ぶりに「オリジナル」を手にとった時には文字通りふるえた。  それで、とりあえず自分をだましだまし一問ずつ解いていった。Z会の京大即応も始め、高校生の子と一緒に京大模試も受け始めた。年に一回のセンター試験も恒例となった。  そして、京都大学の二次試験も受けに行った。京都での宿泊は「からすま京都ホテル」。とても感じが良いだけでなく、京都大学までバスで送ってもらえて便利だったのだ。 image=479817955.jpg
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