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「どーだどーだ羨ましいだろ葉風ーっ」
しし、と笑ったら葉風が殴りかかってきた。ひょいひょい避けて、更にからかった。
「へへへ、葉風顔赤ーい、照れてるっつーか嫉妬でーすーかー?」
「マジで一回黙れ、玖音!」
「やぁですーっ!てか沙良まで顔赤いじゃん!おそろかペアルックか!」
「もう、そんなこと言わないで玖音っ!」
「……そうだねぇ」
ぴた、と足を止めて直立不動。葉風が通り過ぎて戻ってきた。馬鹿だなぁ、とまた笑った。ひらり、と翻ったセーラー服は、あたしには似合わない。自覚はしていた。
沙良には似合っていたけどね。
「お邪魔虫は退散致しますので、あとはごゆっくり」
足にスカートがまとわりついた。
「明日からあたし、チャリで行くわ。じゃ、また教室で!」
後ろは振り返らないで、学校まで全力で走った。
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