置いてきぼりずむ

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ずびしっ、と葉風を指差した。 「お前みたいな粗忽でがさつな野郎に出来る彼女なんて沙良だけだぞ、絶対!大事にしろ甘やかせ手を放すな!オンナノコはウサギなんだから淋しいと死ぬんだよバーカっ!!」 「だからって、ねぇ、玖音はどうするの?ねぇ、玖音がいないとわたしは淋しいよ?」 葉風の後ろから顔を出したのは沙良だった。目が潤んでいた。狡い、そんな顔されたらあたしが悪者みたいで。 実際は悪者のなりそこないなんだけど。 「……沙良はー、葉風のことだぁい好きでしょ?」 「っ、えっ、あ、うん……」 「じゃあいいじゃん。幸せ者だけでやりなって。ていうかリア充の中に非リア充は入れないんですぅ」 「だっ……だって、玖音と一緒がいいっ!」 「それは葉風に言ってあげるの。沙良は可愛いんだから、笑顔でね?襲うなよ、葉風」
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