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「おまえ呑気すぎる。一体誰のせい思う」
レクサが不機嫌そうな顔を隠さずに神格を持つ男に言う。
「そりゃ全部俺のせいだ。悪かったなお嬢ちゃん」
男はレクサに謝ると海の方にに右手をかざした。
次の瞬間男の右手が光ったかと思うと、海の小島は岬に戻っていた。
「これで良いか、お嬢ちゃん」
男がレクサに聞くといつの間にか鹿から青年の姿に戻っていた土地神が無表情で横から答えた。
「形が違う」
「えっ、どこが」
「我がやるから貴様は黙って見ていろ」
土地神が細かに手直しをすると岬は元の知床岬に戻った。
「お見事!」と男が手を叩くとレクサは冷たく「この廃車の山も片付ける」と命じる。
「わかったよ」男は嫌がりもせず廃車の山を空に浮かばせると「で、どこに運ぶ」と聞いてきた。
「こっちじゃ」レクサが音もなく飛ぶと男も廃車の山と共に空を飛んだ。
土地神はその間に倒れた木々を元に戻し吹き飛んだ雪も元に戻しておいた。
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