第2話

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第2話

 小さな頃は、正義のヒーローに憧れた。  世のため、他人のため。  絶対的な悪と戦うヒーローがカッコいいと思っていた。  正直に白状すれば、いずれ自分もそうなりたいと思ったこともある。そんな純真無垢な過去が頭をかすめる度、柚月は顔を覆って転げ回りたくなる。  もしも、時間を巻き戻せるのなら。  その記憶を削除したい。
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