第1話

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目も少し霞んでいる。目薬が欲しい。 そこで、黒板の文字をふと見遣った。 『第二次世界大戦』 霞んだ目で見たためだよね、二を三と空目してしまった。 家に帰ってもまだ“破片”報道は続いていた。 テレビの中で学者が言う。 「古代には、現代より優れた文明があって、何かの拍子に全部が壊れてしまった。 古代人は未来の私たちに警告するため、破片を埋めた。何かの技術で、見つかる時期も指定してね」 そんな仮説は司会者によって笑いに変えられたが、私には笑えない。 怖くなってテレビを消した。   翌日の朝刊の見出しは 『謎の破片、南極で見つかる』 調査は今も続いている。 おわり
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