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周りでは親衛隊持ちのイケメンや各委員長は勿論のこと一般生徒も、ポイントが少しでも多くほしい景品狙いの鬼役の餌食となっている。当事者にとってはお世辞にも平和とは言えない状況だろうが、俺たちはその当事者に含まれていないので関係ない。
「しかしそろそろ俺たちも捕まえとかないと罰ゲームフラグだなww」
「1人だけでもいいんだろ?」
「そうじゃね?」
「よし、じゃあちょっと行ってくる」
「え、別行動ww?」
「こういうのは固まって動くよりバラバラの方が良いだろ。リボンとったら中庭のベンチな」
「はーいww」
別方向に分かれてそれぞれリボンを調達しに行く。が、皆なんだかんだ捕まりたくない捕まえたい、と本気やってるので計画のように怠そうな人から貰う、というのは難しそうだった。プラプラしていると前方に久しく見る顔(頭)とその他チワワ×3が歩いていて、あまり良さそうな雰囲気では無かったので興味本位で尾行してみる。奴らが立ち止まったのは部活用倉庫の裏、開始した第二アリーナからは結構離れた場所だった。
「お前、忠告を無視したね?」
「忠告ってなんだよ!そんなの聞いてないぞ!」
「君が転校してきた日から1日置きに呼び出したのに?」「そんなの覚えてない!」
「…君、痛い目に遭わないと学べないの?」
「痛い目ってなんだよ!」
「…………はぁ…もうやっちゃって」
鳴畑は外国人なのか宇宙人なのか頭が弱いのか。ちょっと本気で悩みそうになった時、チワワの一言で物陰から不良になりたくてその見た目してますね風の奴らが2人出てきた。入試を思い出してきた。
「はいはーい。可愛ければお楽しみ出来たのにこいつじゃあサンドバックだな」
「こいつ、言葉じゃ理解出来ないみたいだから身体に教えてやって」
「りょーかーい笑笑」
「じゃ、ダサ男くん覚悟しとけよっ、と」
よ、の言葉と同時に片方が殴りかかる。鳴畑の頬に直撃……かと思いきや驚いたことにこれを躱した。
「おわっ!危ないな!何すんだよ!あたったらどうすんだよ!」
あたったらどうするってお前…と思っているうちにもう1人も手を出す。不意をついたようで寸前に少し躱されたが結構しっかりと腹に入る。
「っ!~っもう怒ったぞ!お前たちが悪いんだからな!」
「は?ヴッ、っ!」
「な、!?ギャッ」
「え、ちょっとアンタたち何やられてんのさ!早く、ィ゙っ」
「お前たちが悪いんだ!悪いやつは俺が潰してやる!」
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