知ってる?覚えられたんだって

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担任に言われた通り風紀室に行ききっちりと閉じられた扉をノックするが返事がない。物音もしない。もう一度ノックする。物音がした気がする。扉を開く。 「失礼しま、した」 押して開け、引いて閉める。中には人が数人死んでいた。……リンチに続いて殺人現場まで見てしまっt「ちょいちょい!待って!」いつの間にか俯いていた顔をあげると、つい先程閉めた扉が開いていて目の前に人が立っていた。 「君が盃季爽果くん?」 「はい」 「あ、じゃあ入って。ごめんね待たせて。…決して殺人現場ではないからね?」 押すなよ押すなよが脳内リフレイン。 「じゃ、そこ座ってて。委員長呼んでくるから」 風紀員室に入って二体ほど跨いだところにあるソファーに腰を下ろす。暫くすると、先程の人に呼ばれ、促された部屋の奥にあるもう一つの部屋へ行くと、お高そうな机の後ろにこれまたお高そうな椅子に座ったこれまたイケメンがいた。 「盃季だな?」 「はい。」 「来てくれてありがとう。そこに座ってくれ。俺は風紀委員長の3年鷹嶋(タカシマ)だ。時間が無いのですぐ本題に入らせて貰うが、昨日のこと、聞かせてくれないか?」 単刀直入、という言葉を思い出しつつ鳴畑のことを言ったらあとで生徒会にバレたときめんどくさそうだな、と思った。 「……………はい。昨日、俺は鬼役で友達とリボンをとったら中庭に、という待ち合わせして人役を探して歩いていたら部活用倉庫まで来てしまって引き返そうとしたところ物音が聞こえたんで見てみたらあの状態でした」 「………なんだ?」 「え?」 なにがなんだ、なんだ。……ややこしいな。 「なぜ嘘をつく」 「?」 「伊達にこの学校の風紀委員長という役職に就いてない。お前が嘘をついたのはすぐにわかる。…我々風紀委員会は最近生徒会が特定の一般生徒に構いっきりのせいで皺寄せがこちらに来て仕事に追われている。早急に片をつけたいのだが協力願えるか」 「……はい、すみませんでした嘘です。」 人間嘘発見機かよ、凄い能力だな。と思っても口に出したらイケメンの鋭い目からビームで潰されそうなので言わない。言えない。
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