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「…クッ」
小さく笑われ、何か可笑しなことを言ったかと思い自分より少し(少しだ。異論は認めん)背の高い委員長を見上げると頭を撫でられた。
「やはりお前は珍しい。面白いな」
「……ふ、う紀委員長?」
「なんか嫌だな。名前で呼べ。」
「…鷹嶋委員長……」
「そっちじゃない」
そっちじゃないって…あれ、自己紹介されたとき名前まで教えてもらったっけか。…思い出せん。ここで聞くのか?それはそれで勇気がいる。無難な聞き方ってなんだ。
「えっと………お名前は?」
「…………そういえば言ってなかったか。しかしこの俺の名前を知らないとは…まぁいい。鷹嶋 都織(トオル)だ。今度会った時忘れていたら…」
「!?」
徐に近づいて来た顔にペロリと頬を舐められ反射的に距離を取る。
「食ってやる」
自分と同じ黒髪でも顔が良ければこんな綺麗に見えるのか、と思うくらい綺麗な顔が悪戯に成功した子供のように笑った。
「脳に刻み込んでおきます。仕事頑張ってくださいではさようなら」
運良く距離を取った方向が教室への帰路なので足早に去って行く。
「爽果、な………」
と、色気たっぷりで鷹嶋が呟いていたのは鷹嶋本人も無意識で。
教室に入ると担任は不在で、一限の残りは完全に自由時間のようだった。とりあえず自分の席に着くと有里山が来て移動したのだろう隣の空席に座った。
「おかえりーんww」
「おう…授業はどうなった?」
「えっとですねー自習になりましたーwwので長い休み時間になってますww」
「把握」
「そんなことよりさ、どうしたのよ、何用の呼び出し?」
「昨日のことで風紀に呼ばれた」
「あーあれか。風紀とかやばこわww鳴畑だってことは言ったん?」
「最初嘘ついて偶然倒れてたところにってふうに話したら見破られて結局全部言った」
「さすが鷹嶋様wwww」
「委員長のこと知ってたのか」
「そりゃあまぁずっとここにいるんでww生徒会に並ぶイケメンですしww」
「確かにな」
「てかなんでちょっと息切れてるのww」
「………」
無意識に小走りしていたのか息が切れているのを言われてから気づいた。命(貞操)の危険を感じたしな。
「ほれほれ、白状しちゃいなさいwww」
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