知ってる?入学したんだって

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今は朝のHR真っ最中。担任が、開始時刻より少し遅れて教室に入ってきて、義務連絡をしたついでにどうでもいいことのように転校生が来たと言った。皆、義務連絡のノリで一瞬聞き流したが、その意味を理解し固まると、入れー、なんて言う怠そうな担任の言葉と共に転校生が入ってきた。というのは嘘で、投げ込まれてきた。 ここでやっと冒頭。つまり教卓にへばりついている黒い物体=転校生っていうのはすぐわかることなんだが、まぁ若干の現実逃避だ。 突然の出来事に俺含むクラス一同プラス担任は呆然。人が投げ込まれたっていうのに冷静な方がおかしいけど。そんな中教室に入ってきたのは理事長(イケメン)だった。(ちなみになぜ理事長だと分かるかと言うと入学式の初っ端に挨拶していたからである。)まさかの理事長(イケry)登場に誰もが開いた口が塞がらない状態で、より一層シーンとしている中話し出したのはやはり理事長(イry)。 「 皆さん、おはようございます。今日から同じクラスになるカsえっと、転校生について1つ忠告しておきます。例えどんなに苛ついても暴力は停学、最悪の場合退学になってしまいます。そうならないように、やさーーーーーしく言葉で諭してあげたり、顔など目立つ部位は避けtおっと、なんでもありません。以上です。では楽しい学園生活をおくってくださいね」 と言って去っていくイケメン。間違えた理事長。 たっぷり10秒の沈黙の後、我に返ったチワワ(人科カマー族)が歓声をあげたというより叫んだ。変声期まだ来てない系甲高い声に耳が痛いが、それを合図に覚醒した担任が2回手を叩き静かにさせ喋り出す。何その技かっこいい。 「あー、では紹介する転校生の……大丈夫か?」 担任が教卓にへばりつく物体をつつくが気絶しているようで起きる気配がない。 「…………新しく1-Aにやって来た鳴畑 智也(ナリハタトモヤ)くんは、理事長のお兄さんの一人息子だそーで、まぁあとで自己紹介してもらいましょー。御子柴(ミコシバ)、保健室までこいつ頼むわー。じゃあHR終了。授業の準備しとけー」 とペラペラ喋って出ていった。やる気無さすぎだと思う。けどいつもよりは話してたからチワワたちの目がハート。よくわからない世界。 ちなみに御子柴っていうのは俺たち1ーAの学級委員長で高身長でガッシリしたやつ。1年にして剣道部主将とかいうなんかもう、凄い(語彙力)。  
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