知ってる

知ってる？入学したんだって

「さーかずーきくーんww」
「……」
「目死んでまっせwwてかさ、転校生のヘアースタイルやばすぎるww」
「……あれヅラだろ」
「うーん。あれで地毛だったら風呂入ってんのか疑うわwwそれかシャンプー変更をオススメするww」

話し掛けてきたのは有里山　空真(アリヤマクウマ)。入学式の日、第一アリーナ(なんで体育館じゃなくてアリーナなん意味わからん)までの道を聞いたらたまたま同じクラスでまあうん。で、こいつが言っている転校生のヘアースタイルうんぬんは、俺が転校生を黒い物体って言った原因。頭部が全体的にゴワゴワモサモサの真っ黒マリモボンバーヘッドだったからだ。展開がアレだったこともあって強烈な見た目が強烈な印象を残しているのは否めない。第一印象って大事だな。

そんなこんなで朝の出来事を少し忘れかけて来た昼休みの時間。有里山と今週の週刊マガジンステップを語ろうと思いながら4時限目の片付けをしていると担任が転校生と入ってきた。面倒くさがりな担任が昼休みに教室にくるなんて珍しく、皆なんだなんだと注目する。

「えー、朝は気絶していた転校生くんが目を覚ましたんで自己紹介、つっても名前は言ってあるけど一応鳴畑からもな」
「おい！康広(ヤスヒロ)！名前で呼べって言っただろ！！あ、みんな！！俺は鳴畑智也だ！智也って呼べよな！よろしく！」

…………担任、康広って名前なんだな。そして転校生、お前は喉にスピーカーでも入れてんのか。それとも大きな声じゃないと死ぬのか。

「とゆーことでー席はー……あぁ倉西(クラニシ)の隣な。じゃあ午後も頑張れよー」

といって逃げるように出て行った担任。倉西は、なんか突然叫んだり鼻血出したりする、不男子？とかいう、男子じゃないんだかなんだか。

「うわぁぁああ！なぜだぁぁぁ！俺は腐男子受けにはならんぞッッッそうだ逃げy「おい、ちょ待てよ！」え、それどこのキムタクwwwww」

とかまた騒いでるうちにあのカツラ野郎(命名)に腕を掴まれて捕まった。どんまい。

「おいお前！名前なんて言うんだよ！！」
「山田太郎ですっ！」

いや、信じないだr「そうか！太郎か！よろしくな！」……マジか。倉西本人もブフォッwwwとか言って吹いてるし。そんなコントみたいなのを見ていたら教室の出入り口から、先行くぞ、と有里山に声をかけられ急いで後を追う。