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少なくとも俺の家の玄関扉の2倍はある扉を開けると、ガヤガヤした空気にいい香りが混ざったバカでかい広間みたいな食堂に到着。
「そろそろ慣れたかいこのデカさにはww」
「慣れないし慣れてもアウトだと思う」
有里山の言葉に返事しつつ空いてる席を探し見つけた其処に腰を下ろして有里山が注文用のタブレットをいじる。
「何にする?」
「あー、海鮮丼」
また丼モノ?wwと言いながら注文してくれた。そっちこそまた麺類のページ開いてるじゃねーか。
「まぁもうちょいしたら此処での生活も慣れるさww」
「慣れたら困るやつもあるけどな」
それは否定しないwwと笑う有里山だがこいつは幼等部から亜座馬学園で過ごしているからあまり説得力がない。さすが金持ちが来る金持ち学校なだけあって、食堂だけでなく建物一つ一つが大きく、教室一つ一つも他校のより大きい。それだけでも凄いのに更には各委員会室や各部室とかその他細々した個室もあるんだから、公立高校と比べれば、天と地……いや、宇宙と目の前に落ちてるパン屑くらいの差がある。デコピンして有里山に飛ばした。そんなことを考えていると料理が運ばれてきて、ウェイターさんから海鮮丼とカルボナーラを受け取る。ありがとうございます、と小さく礼をしつつ言うと一瞬嬉しそうに顔を微笑ませたウェイターさんは一礼してから戻っていった。
「そーいや盃季くんってぇ~なんでこの学校に来たのぉ?」
「は?」
突然の質問と裏声の意図がわからず、何言ってんだこいつという視線を送る。
「目が何言ってんだこいつって訴えてるww」
「大正解。座布団1枚」
「わーいwwじゃなくてwwここ、一応金持ち達が安心して勉強できるように創られた学校だから普通は一般の方は存在すら知らないはずなんですよ?」
なんで此処受験したっけ?…………あ、母さんが薦めてきて断る理由も術もなく受けたんだ。それまで聞いたこと無かったしこのご時世に全寮制男子校なんかあんだ、って思ったんだった。
「母さんが薦めてきて知った。けど、母さんがなんで此処知ってんのかは知らない」
「ほーほー?つまりのお前のママン謎い説かww」
その結論で満足したらしく、じゃいただきます、と食べ始めたので俺も海鮮丼に箸を伸ばす。
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