本編

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○見習いになったら二  この辺は注意事項と言いますか……。まず、実地訓練と言っても、戦闘面と使用人方面で別々に教導官がいるのですが、戦闘指導の教導官はあの侍女長が引き受けています。頑張って下さい。取り敢えず、死にはしないと思います。それから、逃げ出したくなっても最低一年は見習いを勤め上げないと脱退は認められません。色々諦めて下さい。一年も頑張れば、ある意味精神的折り合いもつくでしょうし。使用人の指導の方も、戦闘指導の件は身に染みて理解している方ばかりですので、とても優しく親身に手取り足取り教えてくれる筈です。 ○見習いになったら三  本職とは本来関係無いのですが、見習い向けにセラピーの真似事のような事を会員制のクラブ会で行っています。てか私が始めました。必要だったので。何か不安な事がありましたら、先輩メイドの誰でも構わないのでお気軽に声を掛けてみて下さい。泣いて喚いても発狂しても大丈夫です。誰もが通る道ですし。私達なんてもう、そんな涙も枯れ果てましたよアッハッハッ……(文字が掠れて読めない) ○正式雇用  見習いを終えると無事正式雇用です。その後は本邸に引き入れられる方もいれば、国内各地にある別邸に移る方もいたりと、まあ、まちまちです。実はそこら辺は副侍女長たる、私の匙加減一つなのですが。良いですよねー。私なんて、最初からクレアとペアで考えられてましたから、ずっと運命共同体なんですよ。離れたくても離れられないんですよねー。 ○最後に  雇用条件が特殊かつ大変厳しいせいもありまして、当家の職場は万年人手不足に喘いでおります。伝手があるので常に必要最低限の人材は確保していますが、それ以上の人員の当てが無いのが実情です。ぶっちゃけ、避けられてますし。酷い方ですと、うちの職場の事を流刑地とか仰ってるようですしね。まあ否定はしませんが。まずは勇気を出して一歩、噂に躍らされず自らの目で耳で心で、うちの職場の実態を体感して頂ければと思います。あ、実は職業体験も実施してるんですよ。連絡先は──。        
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