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『坊や、これを肌身離さず持っておきなさい』
白髪のお婆さんが小さな水晶玉を手渡しながら言った
昔の記憶だ
お婆さん・・・いや、祖母はもう10年も前に亡くなったからだ
『この水晶玉はね、お前を災いから守ってくれる物なんだよ』
そう言って革の紐で括って俺の首に掛けてくれた
『いつか、きっとお前の身に考えることも出来ないような事が起こるだろう
何となくだけどね、そんな気がするんだよ』
俺の髪をくしゃくしゃにしながら頭を撫でて微笑む祖母
『だけどね、お前ならきっとどんな困難も乗り越えられる
そんな気もするんだよ
だからこれはお守り
大事にしなさい』
そういった祖母はねっころがって・・・眠るように息を引き取った
俺の・・・遠い昔の記憶
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