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「母さん、少しだけ待っててくれないか?」
この手だけは使いたくなかったが、四の五の言ってられない。食べ終えた食器を流しに持って行き、自室へと直行。ノートパソコンを用意してリビングへと戻った。
怪訝そうな顔をする母さんに、ディスプレイを見せながら紹介した。
「将来を見据えるなら、やっぱり伴侶は必要だと思ってさ……紹介するよ、俺の嫁、響だ」
『響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるんだ』
不審者を見るような目で見られた。
「レベル99になったらケッコンカッコカリっていうシステムが実装されるって噂を聞いたから、ちゃんと結婚してから紹介しようって考えてたんだけどさ……」
恥ずかしくなって鼻を掻く。まだ75だもんな。謎の生物を目撃したような目つきに変わっていた。
「ああ、心配しないで。対象年齢は18歳以上だから。この子もこう見えて18歳、法律的に問題なし」
『スパシーバ』
響も喜んでくれているようで良かった。
「…………ナニソレ」
「これは艦これといって、響といちゃいちゃするツールだよ。ネットの求人情報を探す息抜きに始めたんだけど、まさか理想の相手と巡り会えるとは思わなかったなあ。それで、家庭のある身としては危険な仕事をするわけにもいかないし───」
問答無用で叩き出された。ふぁっ!?
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