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未来…… あゆの言葉に軽く頷くと、あゆはあたしの背中をバシッと叩いた。 「痛い……」 「うじうじしない!考えたって仕方ないでしょ?」 ……そうだね、考えたって変わるわけじゃないもんね。 「ありがと、あゆ。考えないことにする」 ニヒと、意識して口元を上げた。 あゆはそんなあたしを見て、眉を下げ笑う。 「なんか考えて込む前にちゃんとあたしに相談しなよ?」 「うん、ありがとう」 キーンコーンカーン 話が終わると同時に、HRのチャイムが鳴った。 ……あれ? あたしは違和感を感じて、後ろを振り返った。 芦田君…… 来てない。 「あれ、芦田休み?」 あゆがあたしに尋ねるけれど、あたしも現状把握中で返事ができない。 「……芦田遅刻とかしないもんね。メールしてみたら?」 「あ、うん」 昨日のデートは普通に見えたんだけど、体調悪かったのかな…… 昨日の芦田君を思い出していると、担任が入ってきて「芦田は欠席」と言った。
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