782人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ……ごめん、ね」
芦田君に見下ろされる土田君は、若干目線を動かしながらするりと謝罪した。
嬉しいけど……ちょっと土田君が可哀想、かも。
土田君はあたしのこと、好きとかじゃないもん。
……こんな事、口が裂けても芦田君には言えないけど。
「芦田ー、ラブラブなのは分かったから早く写真撮ってー」
微妙な空気が漂う中、あゆの一言でこの場の空気が入れ替わった。
「……貸して」
「あっ、じゃあ頼むね」
芦田君が微笑みながら土田君からカメラを受け取った、けど。
芦田君……目が笑ってない。
うう、ちょっと怖いかも。
水槽の前にはすでに3人が並んでいて、さっきみたいに相川君の隣しか開いてない。
芦田君の前で男子の隣って……並びにくいなぁ。
っていうか沖縄に来てから、芦田君に会うの初めてだった……
芦田君とも記念に写真、撮りたかったなぁ。
できれば海辺を2人で歩きたい。
それからーーー…
「大島、早く」
飛んだ思考を巡らせていると芦田君に促されてしまい、ハッとする。
「あっ……!ごめん」
最初のコメントを投稿しよう!