I need you *

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髪を乾かした後と、二階自販機前に向かった。 さっき芦田君からメールが来て、場所が書いてあったから。 一段一段ゆっくり登ると、上がりきった所にある自販機が見えた。 「……まだ、か」 待ち合わせ時間まであと5分ある。 あたしは自販機の横に設置されているベンチに腰を下ろし、芦田君を待つことにした。 確か9時以降は部屋から出ちゃダメだったよね。 あと……1時間、か。 スマホを時計替わりに眺めていると、あたしの目の前に足が見えた。 「芦田…く」 てっきり芦田君だと思い込んでいたあたしは、顔を上げながら名前を口にすると。 「あは、ごめんね。芦田君じゃなくて」 あたしの前に立っていたのは、小嶋さんだった。 一瞬言葉が詰まってしまったけれど、ハッとしたあたしは笑顔を作る。 「あ……ごめんなさい、間違えちゃって」 「ううん、あたしこそ期待させちゃってごめんね?」 水族館で感じた視線とは全然違う、満面の笑みを浮かべる小嶋さんにあたしはホッと胸を撫で下ろした。 ……やっぱり勘違いだったんだ。 良かった。 「ところでこんな所で何してるの?」 あたしの横に座りながら話し掛けてくる小嶋さん。 「あ、芦田君を待ってて」 「え?芦田君、熱が出ちゃって部屋で寝てるって聞いたよ?」 「えっ」 初めて耳に入れる芦田君の状況に、あたしは思わず立ち上がった。
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