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「……そう、なの?」
お昼まで普通に見えたのに、いつから体調悪かったんだろう。
全然気がつかなかった。
……彼女なのに。
「今は移るといけないからグループの部屋にはいないらしいよ。保健の先生の部屋にいるみたい」
俯きがちになるあたしに、小嶋さんは言葉を続ける。
「そんなに悪いんだ……」
「あ、でも熱あって連絡とか出来ないと思うから、大島さんも連絡しない方がいいと思うよ?」
「え?」
「だって芦田君も無理して出てきちゃいそうでしょう?」
「……」
「心配させたくないから伝えて欲しいって、ヨシ君から伝言渡されたからあなたを探していたの」
「そうなんだ。
でもここで待ち合わせって連絡が……」
「その連絡はお風呂前でしょ?お風呂出たら熱上がっちゃったみたい」
……そう、だったんだ。
あたし何も知らないで、呑気な事考えててバカみたい。
「ヨシ君から聞いてジュース買いに来たら大島さんいたから、ちょうど良かった」
小嶋さんが教えてくれて良かった。
会えなくても、芦田君の状況が知れたから。
「教えてくれてありがとう、部屋戻るね」
あたしは小嶋さんに笑顔を向けて、自分の部屋に戻ることにした。
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