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「あれっ、いたの?」
「……うん」
「びっくりしたよ。電気くらいつけなよ」
「あ、ごめん」
部屋に1人、ベッドの上にポツンと座っていると、あゆが帰ってきた。
「……芦田は?」
あたしの様子がいつもと違ったのか、隣に腰を下ろしながら静かに尋ねてきた。
「体調が悪いみたい」
「えっ……そっか」
「うん」
あゆが詳しく聞いてこないのは、あたしが更に沈むから気を使ってるんだと思う。
「あっ!じゃあさお菓子パーティーしよ!」
「いたっ」
あゆがバチンッと背中を叩くから、強張っていた表情が無意識に解けた。
「さっき沖縄限定のお菓子沢山刈ったからさ、真理ももうすぐ帰ってくると思うし!
みんなでパーっとやろ!」
「……うん」
あゆが盛り上げようとしてくれてるのに、胸の奥のつっかえが取れない。
……芦田君の声が
無性に聞きたいよ。
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