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「俺見たことある!
めっちゃ可愛いかった」
俺が口を開く前に、春樹が前のめりになりながら自慢げに挙手をした。
「まじで?見てみたいし」
「今度見たら教えてやるわ」
当の本人は完全アウェー状態で、要と春樹は勝手に話を進めていた。
……別にいいけど、
「あれ、ってか要の彼女と優の彼女、同クラじゃね?」
そこに、ポツリと呟く、俺の隣のヨシ。
「そーなの?」
要は多少驚いた様子で俺を見るけど、俺だって初耳だ。
「じゃあ彼女ってもしかして……雪香って子?」
「?……そうだけど。知ってんの?」
「真理からめっちゃ可愛い子がいるって聞いた事ある。その子だったのかー
ってか部屋一緒って言ってたけど」
要の言葉に俺は何も考えることなく、話の筋から見えてくるままに疑問を持った。
「え?じゃあお風呂でのぼせたのって、要の彼女?」
「何の話?……さっきから真理とメールしてるけど」
「……?」
おかしい。
どういう事だ?
「おい、優。話違うじゃん」
俺だけが疑問に思っただけじゃないみたいで、眉を潜め覗いてくるヨシと目が合った。
「……ちょっと大島に連絡してみる」
ベッド脇に置いてあるスマホを取りに行こうと立ち上がると同時に
ーーーコンコンと部屋にノック音が響いた。
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