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一瞬しん、と静まり返る、部屋。
話すのもやめ、お菓子を漁る音まで消えた。
「誰?」
「担任じゃねぇ?」
「いやいや来ないだろ、ちょ優、そのまま出て」
「……」
3人は立ち上がる様子もなく、俺は無言のままドアを開けに行った。
ガチャっとゆっくりドアを開けると、隙間から見えて来たのは
「あ、芦田君」
緩く微笑む、小嶋さんだった。
「……何?」
とっさにさっきの話を聞こうかと思ったけど、みんながいる前だし大島にも確認をしてないから、今は飲み込んだ。
「あのね、ちょっと来て欲しいんだけど」
「誰に?」
「もちろん、芦田君」
上目遣いで俺を覗く小嶋さんに、取りあえず軽く頷き、部屋から出た。
部屋の中から名前を呼ばれたけれど、そのまま小嶋さんについて廊下を歩く。
「で、何?」
俺が2人になりたかったのは、さっきの事を聞きたいからだ。
だけど取りあえず、あっちの話を聞いてからにしよう。
廊下の壁に腕を組みもたれながら、小嶋さんに視線をやる。
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