782人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい」
「あ……ありがとう」
差し出されたジュースを受け取ると、手がヒンヤリとした。
えっと……
どうしたらいいんだろう。
立ったまま飲むわけにもいかないし、貰ったのに飲まない訳にもいかない。
呆然と立ち尽くしたままのあたしの前を、相川君は通り過ぎ階段の一番下に腰を下ろした。
「飲まないの」
相川君はさっきから相変わらず無表情で、意図がさっぱり分からないけれど。
隣に座らなきゃ……いけないんだろうな。
あたしはジュースをギュッと握り締め、相川君の隣まで行きオズオズと腰を下ろした。
「何かあったの?」
そこでやっと、核心を付いて来る相川君。
そこまで仲が良いわけじゃない。
ただグループが一緒なだけ。
でもだからかな、逆に遠い距離だからこそ、気持ちを吐き出したくなって。
涙が込み上げつつも、さっきまでの一部始終を相川君に話した。
最初のコメントを投稿しよう!