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「お、イチャイチャ発見」
必死に芦田君に答えていると。
耳に飛び込んできた、1つの声。
「わお、雪香大胆っ」
続いて聞こえた、背後からの2つ目の声。
しかも自分の名前を含んでいることに、驚いて固まってしまった。
特に焦る様子もなく、ゆっくりと唇を離していく芦田君。
「要か」
「なんちゅー冷静!もっと怯めよ」
芦田君は軽やかに話を始めて、あたしは息を整えながらギギギと首を後ろに回した。
……ま、真理だ!
恥ずかしい……!
友達にこ、こんな所見られるなんて。
目が合った瞬間ニヤリと微笑む真理に耐えきれず、思わず下を俯く。
一瞬しか見えなかったけれど、真理の隣にいたのは彼氏かな?
じゃああの人が例のドS彼氏……!
頭の中を色々な事が駆け巡っていると、平然と答える芦田君。
「別にやましくないし」
あ、芦田君っ……!?
やましいに決まってるのに!
公共の場でき、キスなんかしてたんだから……
芦田君を見上げ口をパクパクさせるあたしをよそに、間近まで来た2人。
「ちょっ、聞いたか真理。こいつこんな事しといてやましくないらしいぞ」
「でもラブラブなの羨ましいなぁ」
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