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「羨ましい?どこが」
「だってさ、愛し合ってるって感じがすごい伝わるもん」
「……へー」
「ねぇ、要。うちらもラブラブしよ?」
「バカじゃねぇの、ヤダよ」
「あ、ちょっと待ってよー」
言い争いますをしながらあたし達の前から遠ざかっていく2人は、何だかんだ仲がいいみたいで手を繋いで廊下から消えていった。
……嵐みたい。
姿が見えなくなってからもその方向から目が離せずにいると、手をフワッと何かに包まれ目を見開く。
手を見ると、芦田君の手に握り締められていた。
「邪魔入っちゃったね」
イタズラっぽく微笑む芦田君に、あたしはドキンっと胸が弾ける。
……芦田君って結構大胆なのかな。
あたしは恥ずかしくて顔から火が吹き出そうなのに。
……それでも憎めない。
だってそれ以上に大好きだから。
「でもあの2人のおかげで、今回は助かったよ」
「え?」
「彼氏彼女、どっちもが友達同士だったから判明したからさ」
「……そうだったんだ」
だったら真理と彼氏さんに感謝しなくちゃ。
「2人でお礼言わなきゃね」
「はは、そうだね」
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