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「はぁっ……っ」
芦田君と待ち合わせしてる駅まで、ひたすら走る。
お気に入りのピンクゴールドの腕時計の針は、約束の10時を指していた。
遅れちゃうよ~!
あたしは涙目になりながら、綺麗にセットした髪の毛を振り乱して走っていた。
駅前の信号が赤になっていて、足をとめ肩で息をして整える。
早く行きたいのに……
早く行きたいもどかしい気持ちと、2人で出かける事への緊張する気持ちが交差する。
赤!
信号が変わった瞬間、走り出す。
「わっ!」
急いでいたあたしは、横断歩道を渡りきった所の小さな段差で躓いて、前から倒れそうになった。
瞬間、ガシッと腕を後ろから引っ張られ、体制が元に戻る。
「大島、慌てすぎ」
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