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「わ!すごい大きい!」 凄く高い天井まで続く水槽の中の魚達に、思わず大きい声が出てしまう。 大きい魚、小さい魚、名前は分からないけれどたくさんの魚が優雅に泳いでいる姿に、少し感動する。 「綺麗……」 水槽の前に張り付いて集中して見ているあたしの隣に、芦田君が並んだ。 「すごいなー。近くで見るとなんか緊張する」 「分かる、それ!なんか迫力あるよね」 水族館はイルカのショーを楽しみにしてきたけれど、他にもたくさん素晴らしい所があったなんて、自分の勉強不足を恨んだ。 それから手を繋いでたくさん回った。 ジュゴンを遠くから見つけた時は思わず駆け出したし、ペンギンが通路を歩いている時は写メをたくさん撮った。 お昼近くになると芦田君は自分の腕時計を見て 「どっかで食べよ」 と、あたしの手を優しく引いた。
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