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『何度も言ってるが荒事だけは起こすな。来週のサタデーナイトまでの我慢だ。あとこれは言っておこう。自分からゴミ拾いに参加したいってヤツにはオヒネリあげちゃうよ?』
「「「「オオォォーーーーッ!!!!」」」」
『ありがとよ。じゃあオヒネリがいらねぇヤツはさっさと帰れ! 帰って今日のチャンプにアソコを踏まれる夢でも見な!』
たとえヒール履かずともヒューガはジジよりも背が高い。
ヒューガの肩に手を置くジジはいつにも増して小柄に見える。
『じゃあ今日はこれでオシマイ! スタッフとオヒネリ目当てのボランティアまがいはここに残れ。それ以外は愛車で直帰! オーケー?』
「「「「オオォォーーーーッ!!!!」」」」
『DJは今日もジャンルイジ・ペシーが務めた。来週の会場はまたツイッター告知。俺のチャンネルを見逃すな! サンキュー! ゴミ一つ残すなよ!』
会場からは歓声と拍手が沸き起こった。
ジジはメガホンの電源を切り、ブースの解体作業に移る。
ジジの背を追うのは10名前後のスタッフと10名前後のボランティアまがい。
ボランティアまがいのうち二人はモヒカンとメガネ。
他の人間はぞろぞろと愛車に戻る。
「……ふんっ」
ふてくされたようにヒューガに背を向けるレオ。
レオもまたジジの背を追う。
レオの去ったヒューガのもとには、彼女を食事に誘おうとする色男が数名ほど駆け寄る。
断る勇気のあるような女には見えないし、放っておけば彼女も消えるだろう。
レオは心の中で唾を吐いた。
本当はヒューガの足元に吐いてやりたいところだが、やったらジジに掃除を迫られる―――。
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